大(Oh!)水木しげる展@川崎市市民ミュージアム

行ってきました。
http://home.catv.ne.jp/hh/kcm/exh/mizuki.htm
鬼太郎や妖怪、だけじゃなくて水木しげるの出生から現在までまさに「人間・水木しげる展」といった趣で、圧倒的な量の原画やオブジェなどの作品群と、詳細な解説、その人生を編年的に追った展示の仕方といい素晴らしい!の一言です。さすが荒俣先生、やるな。
個人的にはだいぶ昔に(たぶん京極夏彦がだいぶ売れてきた頃)のTVで、「最近の妖怪ブームいかがですか?」的なそりゃないだろうというレポーターの質問に、「やっと分かったか!」と豪語した水木先生の勇姿を見て以来、この人はキ○ガイに違いないと思っていた私の認識が裏付けられる結果と相成りました。ありゃ絶対キチ○イ。まえ「劇画ヒットラー」とゆうのを読んだ時に感じた作品に対するドライな感じ、突き放し感(藤子Aのブラックユーモア作品をさらに100倍ハードにした感じ)みたいなのは多分本人の戦争体験に由来するんじゃないかなぁ。2度もマラリアにかかり、左腕を失う程の死線を彷徨ったが故に、自己を含む全てのものを客体化する神の視点を手に入れたとゆうか。雄大に優しく人を包んだかとおもえば、とんでもない災害をもたらし人を殺したりする「自然」のような意味での神。その影を含んだ部分と、そこから醸し出されるユーモアがこの人の作品のえもいわれぬ魅力となっているのは間違いないんでしょう。あの黒い絵で、無表情に「なるへそ、なるへそ」とか「ほんとだニャー」とかキャラクターに言わせる感覚。思えば手塚なんかの戦争体験と較べ、まさに兵士として戦場のど真ん中に送り込まれた戦中世代の作家としては貴重この上ない存在だと思います。
もっかい行きたいわ。素晴らしい。