「愛しのアイリーン」見た

エクストリーム・新井英樹・ザ・ワールド。
愛とはコンテキストである、と言い切っている潔い作品ですね。

愛しのアイリーン

愛しのアイリーン

Amazon

そういえば原作未読だな。

「偶然と想像」観てきた

at Bunkamuraル・シネマ
「ドライブ・マイ・カー」でアカデミー作品賞にノミネート、で話題の濱口竜介監督作。(ドライブ・マイ・カーは未見)

偶然と想像のポスター画像
偶然と想像

先週見た「寝ても覚めても」があまりにアレだった(唐田えりかさんBig Up!!!)ので、期待と不安半々でしたがめっちゃ素晴らしかったですね。
見ながらずっと「これ小説で読みたい!」と思ってたんですけど、よく出来た小説を読んでいる感覚で「ああ、そういえばこれ映画だったよな」と何度も気づくような感じというか。
会話のリズムが完全に演出と同義になっているし(棒読みがいつの間にかリアルに立ち上がってきてハッとなる瞬間が各話にあった)、特殊なやり方を試しているのだろうなーとは思わせるけれど、実験的な手法に溺れず何か大きな主題にちゃんと触れているのが素晴らしいですね。
見た直後にもう一度見たいとすぐに思った珍しい作品です。
ドライブ・マイ・カーはどうかなー。

「フレンチ・ディスパッチ」観てきた

ウェス・アンダーソンの10作目。

フレンチディスパッチ
フレンチディスパッチ

いつも安心のウェス節で楽しめなくはないが「人」の描き込みが物足りなく何故かホロッと泣けるアノ感じが訪れず残念。
様式美は堪能できるので好きな方には安心してオススメできますが、私は物語に入り切れなかったので終始作り込まれた画面に終盤少し疲れてしまったかも。

「空白」見た

𠮷田恵輔 監督。

徹底してディスコミュニケーションを描いていて登場人物誰ひとり噛み合っていないのに、終盤に表面的な「理解」みたいなものを掬い取ってクライマックスとするのってどうなんだろう。
絵を描いたり娘の読んでいた漫画を読んだり「弁当うまかったっす」って言われたり、ってそこまで登場人物が体験してきた「絶望」からすると如何にも表面的すぎて救いとして成立していないのでわ。

とか思いました。

hanali "Gorge Bricolage"とKazuki Koga "Instinctive Plagiarism"

ジャパニーズGorgeの開祖hanaliと、その直系Kazuki KogaのニューリリースがどちらもDJ Nangaから連なるトラディショナルなGorgeスタイルを強烈に進化&深化させておりエモゴルかったのでご紹介。

hanali Gorge Bricolage
Gorge Bricolage

即興やノイズから出発したhanaliがサウンドを洗練させ年々ダンスミュージックに肉薄しているのとは反対に、ダンスミュージックから出発しているはずのKazuki Kogaがエクスペリメンタルやサウンドアートに接近してきているのが興味深い。
この流れでGorgeトラディションは2022年の山の日あたりにオメガポイントに到達し得る未来を勝手に夢想しております。

hanaliはベルギーのカセットレーベルThird Type Tapesより
hanaliのベースラインって何とも言えず独特なスタイルがありますよね。初期名曲「Wide&Gorge」からある独特なDUB感。
thirdtypetapes.bandcamp.com

Kazuki Kogaは日本のVirgin Babylon Recordsより
virginbabylonrecords.bandcamp.com

コガくんは間もなく新作フルアルバムのリリースも予定されており、こちらも楽しみです。(リードトラックがSLAB!)
virginbabylonrecords.bandcamp.com

「ムショぼけ」

子どもが寝ついた土曜の22時、Netfilxでどんなもんかと試しに「ムショぼけ」見始めたら面白すぎてイッキ見してしまった……

基本的にはコメディで笑って見られるんですけど、“ムショぼけ”の表現として執拗に繰り返される幻覚の看守との執拗な対話は「ファイトクラブ」や「バードマン」的アルターエゴを思わせるし、息子の甲子園シーンがTV観戦している茶の間で展開される演劇的表現など、全般的に演出が冴え渡っている。
娘との再開や家族団らんのシーンで示される家族への憧憬の切なさや、カッコつきではあっても家族(のようなもの)を取り戻しかけ、看守の幻覚も消え、光が兆した後に訪れるリサの〇〇*1などは本気で落涙してしまった……
リサ役の武田玲奈さん、一昨年よりチャートで押していたにも関わらず演技を初めて見ましたがマジでサイコーです。

制作は「ヤクザと家族」のチームとのことで、「ヤクザと家族」も良かったしこのチームのヤクザものは外れなそうですね。
一方でドラマシリーズもはじまった「新聞記者」にはどうもガッカリしたので、その間の断面がなんなのか思いを致す日々です。

ムショぼけの武田玲奈(ギャル)
ムショぼけ

*1:ネタバレ

コーネリアスのこと

年末のコーネリアスDOMMUNEアーカイブ視聴して以来、コーネリアス作品を聴き返しているのですが、オレ「Point」以降(Point自体も)はまともに聴いてなかったんだなーと気付かされるとともに「ファーストクエスチョンアワード」の良さに打ちのめされる2022年の始まりです。
番組内では「ファンタズマ」「Point」とそれ以降の評価が著しく高く、1stや「69/96」はほぼ黙殺なのに驚き。。。(69/96も好きなんだがデータにしてない(CDあるかしら……)しかもサブスクにないのにも驚愕。無かったことにしてるのかい……)

番組はもちろん例のオリンピック関連の一連の騒動の総括が中心だったので、私もモヤモヤしていたひとりだったので一緒に総括してみましたが、ファンタズマ以降割とシーンやサークルから距離を取っているように見えたコーネリアスが、宇川さんや高木完さん野田努さん北沢夏音さん等々の、こういって良ければ「身内」のコミュニティによって回復を図られているというのが、良かったといえば良かった。
社会が回復する装置を準備できないのであれば、コミュニティによって担保される以外他ない訳で、そのこと自体には全く否定的でなく、ダースレイダーさんが言っていた様に持つべきものは友達だと思います。

フリッパーズからソロ、小沢健二さんの商業的成功、などを通して小山田圭吾さん自身がアーティストとして成長していく過程で起こった不幸な事件、という文脈で多くの時間語られていたように思いますが、当時(私は高校生)悪趣味露悪は普通に存在していたし、それに乗る人もいれば乗らない人もいた訳で、時代と編集者と取材対象者の共犯関係を抜きには語れない点をもって、誰も彼もこの20年でもっとやりようあったんじゃないの?という思いは拭えず、私自身としてはモヤモヤはモヤモヤのままで生きていく他ないようです。



しかし69/96がデストロイ・オール・モンスターズの借用だって今の今まで意識していませんでした!あれはカッコよかったなー。
69/96のインタビューでハードディスクレコーディングが云々と語っていたので、テクノ的ポストプロダクション主体のその後の作風に変化していく技術的契機として再度評価していきたいですね(CDあるかしら……)